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最底辺 〜倹約のココロ〜

かーちゃさんが、
コメントでご紹介して下さった
『最底辺』を送ってもらい、さっそく読んでみました。

ドイツ語のタイトルは、
Ganz unten.

著者のギュンター・ヴァルラフは、
ジャーナリスト。
ドイツの新聞ビルト(日本でいえば東スポみたいな感じかな??)の編集部に
潜り込んで、ニュースねつ造や改ざん?とかをすっぱ抜いた記事で
有名になった人です。
いまや、テレビ、雑誌、新聞で
隠しカメラなどを使った潜入/暴露ルポは一般的になってきています。

私ですら、
『外人局の扱いのひどさを、隠しビデオで・・』
なんて発想するほどですが、
80年代当時はまだまだそういった手法はなく、
そういう意味でも注目を浴びたのだそう。

さてこの『最底辺』は
ドイツ人の彼が、カラーコンタクトとカツラ、
ちょっと文法をいじったドイツ語で、トルコ人『アリ』になりすまし、
西ドイツの移民労働の実体を暴いたレポートです。

私が一番ショックだったのは、
ここで告発されている、
不法労働者をひどい状況下で雇っているという建築会社が
いまだに、ドイツでも最大手の建築会社であったりすること。

1、2年続けて労働したら
身体がぼろぼろになり、一生治らない病を抱えて行かねばならない、
もしくは大怪我をして、その後の補償も無い、
そんな状況で人を働かせている会社だと暴露され、
しかもこの本は西ドイツでベストセラーとなったというのに。

こんな本が出ても、多分蚊に刺された程も感じていないのでしょう。
一応、いくつかの部分で、事実ではないと
著者を訴えてもいるようです(2カ所変更が許可されましたが
後は証拠不十分で、会社側の訴えは却下されたそう)

本の中で
『短期間でたっぷり稼げる薬物検査』の話があったのですが
(著者は工事現場や建築現場の作業で身体がぼろぼろになっていたため
友人に参加を止められ、実際試さずに終わっています)
これをやっている日本人は今、けっこう多いように思います。
私が日本で美術大学に行っていた時、
八王子の某所で行われている薬物検査(違法ではなかったかもしれないけれど
耳にする限り、かなり危ないことをやっていたと思う)の話は良く聞きました。

美大生は作品作りやギャラリーを借りるのにお金がかかるので
工事現場で働いたり色々するのですが、
この薬物検査は、短期間でまとまった現金が手に入るということで
やっている人がけっこう居たのです。

ドイツでもこういうのがあり、
知り合いは、1週間だか1ヶ月で100万円ちかく稼ぐ仕事をやったのですが
半年ほど、味覚が無くなって、
『何を食べても、食感しかない。トイレットペーパーを噛んでいるみたい』
と言っていました。

こう考えると、
100万円はちっとも高いお金ではない。
しかも味覚が戻って来たから良いですけれど一生味覚がなくなっても
何の保証も無いのです!!!

こわい!!

私も、どんどんユーロが高くなってきてているうえに
ユーロになってから物価がどんどん上がって辛い状態ではあるのですが
地道にぽつぽつと稼いで行こうと思います。
そして自炊で倹約!
うどんは安くて美味しくていいですね。
ゴマ入りを試してみたのですがこれが美味しい。
パンもやはり焼きたてが一番美味しいし・・倹約でグルメ気分の毎日なのでした。
by berlinbau7 | 2007-04-25 19:03 | ドイツのこと


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