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ドナースマルク監督の『公正な態度』

下に書いた、
『善き人のためのソナタ』アカデミー賞受賞の舞台裏
(というか、ワイドショー的ネタというか・・)の続編です。

27日付けのターゲスシュピーゲル紙3面には
フローリアン・ヘッケル・フォン・ドナースマルク監督が
高々とオスカーを掲げる写真と、記事が掲載されていました。
その中で、やはり、
アカデミー賞授賞式、招待状4枚事件の話にもスポットが当てられていました。

どうやら、
監督がマルティナ・ゲデックを連れて行かない、
という結論を出し、それに対して彼女が辛辣なコメントを寄せた後
5枚目の招待状を頼み込んでもらったらしいんですね。
で、
監督
『やっと、もう1枚だけ手に入った。
彼女が病気で寝込んだりしないで、来てくれると良いね』

ゲデック、行かなかったんですね。
チケットもらったのに。

でも今更・・という気持ちもしたでしょう。
1つの作品に対して頑張って来た2人の間に、
深い溝ができてしまったようで、残念です。

監督もでもちょっと皮肉りすぎかも。

『私は女性に対して、とても慇懃なんだけど
それより、公正な態度をとりたいんだよね』

監督にとっては
『公正』は、主演男優2人はどちらを片方でもおかしいし
ということで女優さんを無しに、
ということだったようですが、
最初の1枚はどうしても奥様に、ということだったようです。
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by berlinbau7 | 2007-02-28 03:39 | 映画、だいたいドイツ

善き人のためのソナタがアカデミー賞受賞!

『Das Leben der Anderen(邦題は『善き人のためのソナタ』)』が
アカデミー賞、外国語映画賞を受賞しました〜!

若干33歳の監督、フローリアン・ヘッケル・フォン・ドナースマルク
大喜び!

でも、このアカデミー賞受賞式前には実はひともんちゃくありました。
アカデミー賞授賞式の招待状を4枚もらった監督は
自分の妻、主演のウルリッヒ・ミューエ、セバスチャン・コッホだけを
連れて行くと決定したため
主演女優のマルティナ・ゲデックが、ベルリン映画祭で文句を言ったそうです。
マルティナ・ゲデック、
Elemantarteilchen(素粒子)』で唯一、良いなあ〜と思った女優さんだったので
かわいそう・・と同情してしまいました。

そうかー、監督は
主演女優より、奥さんを連れてくのですね・・。
確かに感動を分かち合いたい相手だというのはわかりますが
主演女優も、同じプロジェクトを立ち上げた人として
重きを置いてくれるべきではないかなあ・・

監督以外の、映画を支えた人たちは
ホテルで映像を見るだけだったそうです。

しかし、
この映画、ヒットしているなあ・・と思いつつ
うっかり見逃しました。
DVDでも借りて来て見たいと思います!
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by berlinbau7 | 2007-02-26 20:04 | 映画、だいたいドイツ

ああ外人局

ここのところ、毎年、
外人局に行ってビザを更新しています。

外人局、Auslaenderbehoerde。
いつ行っても、くら〜い気持ちになる陰鬱な建物で
(そう思うからそう見えるのか?)
駅からてくてく歩く長い道も、何も無い川沿いをひたすら歩くもの。
よーし頑張るぞ、と思って家を出ても、
途中の長い道のりの間に頭がどんどん下向きになってしまいます。

今回は、ビザ更新のためではなく、
ビザ更新のためのアポイントメントを取るために外人局に行って来たのです。
というのも、
アポを取ろうと、1週間何度も電話をかけたのですが、
3種類もある電話番号全てが、何時にかけても
『残念ながら、ただいまお客さまと話し中です。
後でかけ直して下さい』
というテープが流れるだけ。
中央の番号にかけて、『あのー、今日、5時間くらいずっとかけてるんですが
全然つながらないんです』と言っても
『しょうがないですねえ、かけ直してみて下さい』と言われるだけ。
何度か試した後、
親切な感じの人が電話に出たので、
チャンス!と、
事情を話してみると
『ああ、何度かけ直しても、テープになるんですか。
それはねえ、担当の人がオフィスに居ても、電話に出たくない時に
テープをセットしてしまうんですよね。(ってそんなこと肯定していいのか?!)
早めにアポイントを取らねばならないのでしたら、
外人局に直接来て頂く方が良いと思いますよ』
・・・・
仕事に来ているんだったら、何で電話に出ない!
というか、電話に出たくないんだったら、最初から
『電話でのお話時間』を設定して、電話番号を書くな!!

・・・ビザがあと2週間で切れるという間際になって
外人局に電話した私も悪かったけれど(1ヶ月くらい前からやるのが妥当ですかねえ)
外人局には本当に毎回、『まだやるか!』というような目に合わされる。
外人局から、別の局に送ってチェックされるはずだった書類が
半年も忘れられていて、ビザの更新が遅れたり(短いビザをその間は何度も交付され
その度にお金と時間と書類が必要だった)
しかも、その遅れが発覚したのも、
あまりに連絡がないので、電話で問い合わせたからだったり。
(これは、外人局側は隠していたけれど、
別の局に連絡をした時、外人局から●月●日(私が外人局に書類を届けた半年後)
に書類が届いたんですよ、と言われたので、ばれた。
(↑こちらの局は1日で仕事をしてくれた)
外人局の担当、仕事に来て、寝てたのか〜?)

学生ビザで来ていた頃は、
お金を払えば笑顔で更新、と言う感じだったのに
労働ビザはなかなか簡単には行きません。

それでも、まだ私なんかはましな方で、
ロシア人や、韓国人、ベトナム人の友人からの話を聞くと
『そんなにされてドイツに居なきゃいけないの?!』
と涙がにじむような体験も。
まだうまくない言葉尻をつかまれてなんだかんだと言われたりするのは
日常茶飯事。
仕事が決まっていたのに、難癖を付けられて
強制送還になった韓国人学生。(何が理由だったのか未だ不明)
偽装結婚を疑われて、毎年詳細なチェックを受けているロシア人・・。

外人局に
早朝(7時頃)行くと
皆くら〜い顔をして、92年からかかっている色褪せたポスターを眺めている。

しばらくすると、
暖かいコーヒーを配るおばちゃんが現れる。
もちろん有料。

いろんな書類をもってこいと言われるけれど
大抵コピーが必要で、そのコピーを外人局内でやろうとすると
おつりが出ないコピー機だったりする。
顔写真がいらないと言われて、持って行かなかったら、
外人局内の高い証明写真機械でやらされた・・・
(この2つは数年前のことなので、今はどうかわかりません。
お金を引き出す機械もないので、
もろもろ、お金がかかってしまうと、
また遠くまで歩いて銀行を探さねばなりません。
一度、お金がなくて困っていた日本人の人にお金を貸した事もあります)

何度か、色々なドイツ人について来てもらった事があるけれど
皆、足を踏み入れると
『こんな気分の暗くなる建物初めて見た』
とか
『外人相手にあんなにスピード速く話さなくてもいいのに・・』
とかの感想をもらす。

私も、日本の外人局に行った事はない。
ドイツ人もそうなのだろう。

しかしそれにしても・・・。

ぴっかぴかの素敵なビルにしてくれとは言わないから、
せめて、まともに働く人を増やしてくれ〜〜!
と行く度に思うのでした。

はあーーーーー。。。

何度行っても、慣れません。

今回は愚痴愚痴モード。
読んで下さっているかた、すみません。
せっかく天気がいいので、日曜日は、少し楽しい事を考えたいと思います。
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by berlinbau7 | 2007-02-24 23:42 | ベルリンのこと

桃井かおり監督がアジア映画賞を受賞!

ベルリン映画祭、受賞者が発表となりました。

金熊賞は
『Tuya´s Marriage』Wang Quan-An監督に。

審査員グランプリ/銀熊賞は
『The Other』 Ariel Rotter監督に。

監督賞/銀熊賞は
『Beaufort』のJoseph Cedar 監督に。

女優賞/銀熊賞は
『Yella』を演じたNina Hoss に。

男優賞/銀熊賞は
『The Other』のJulio Chavez に。

新聞などでは,一番人気だった、ロバート・デ・ニーロは
優秀な芸術的貢献へ・・ということで銀熊賞を受賞しました。

そして、色々な賞がある中、
NETPAC 賞(アジア映画支援の賞)
を桃井かおり監督の『無花果の顔』が受賞しました!
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おめでとうございます!
これは、昨年、『ディア・ピョンヤン』が受賞した賞です。
賞金を使って、次の面白い作品を作って頂きたいですね〜〜!
今年は、
3作品も、出演、監督作品があった桃井かおりさん。
どこの会場にも足を運んでいらっしゃいましたし、
町中でも歩いているのをお見かけしました。

桃井さんの年、だったのかもしれません。
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by berlinbau7 | 2007-02-18 16:11 | 映画、だいたいドイツ

ベルリーナー大絶賛の日本映画『選挙』

今回のベルリン映画祭、
日本映画で大絶賛を受けたのは、
NY在住の想田和弘監督がてがけた、
観察映画
『選挙』です。

川崎市議会補欠選挙で自民党推薦候補となった
山内和彦さんが、選挙運動をするようすに密着したドキュメント。
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『観察映画』と題されているように、この映画は、
台本も大体のストーリー設定などもなく、
ひたすら選挙運動の流れて行く様子を追った映画なのですが、
これが、面白い!
笑えないよ〜とつっこみながらも、笑ってしまう、必死の選挙運動。
居並ぶ『センセイ』たちとの上下関係、
後援会の人たちとの集まり、
幼稚園の運動会から、シニアスポーツ大会にまで足を運んで一緒にラジオ体操、
秋祭りの神輿かつぎまで参加して
名前を浸透させるべく奮闘。

秋祭りで握手をした人には
『電柱にまでおじぎしてるんじゃないのー』なんてつっこまれてましたが
まさにそんな感じ。

山内さんにとっては初めての選挙。
事務所を仕切っている人の『人は3秒しか耳を貸さないから、その3秒の中に必ず名前を入れるように』
というしたり顔のアドヴァイス(でも確かに日本の選挙カーって名前の連呼がメインですよね)や
先輩『センセイ』の『握手はねえ、最後が肝心だよ。目を見てね』
などのアドヴァイスがすごい。

橋本聖子から、荻原健司(彼が政治家になっていたとは知りませんでした)
石原信晃、そして小泉(当時)首相までが応援にかけつけ、応援演説!

でも、小泉さんが応援に来た時、
山内さんは車の同じ高さに乗る事はできないんですね。
ヒエラルキーがあるみたいですね。
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ああ、日本の選挙・・

ドイツの観客は、いろんなシーンで大爆笑。
日本人から見れば、ああ、日本の選挙ってこうだよね、と見てしまうところが
ドイツ人の目からみれば、なんじゃそりゃー!と思わず笑いが漏れてしまうことなのだ。
(私ももちろん大爆笑でしたけれども)

見終わって、
ドイツ人が
『でも、この映画の中で唯一政治的な発言をしてたのは山内さんの奥さんだけだったね』
た、確かに・・・。
山内さんが当選したら何をするか、公約などはすべてはしょられ。
奥さんが、『妻』ではなく『家内』という言い回しで表現されなければならない
と言われたり、仕事を持っている彼女は、仕事を辞めろと言われたり。
実質彼女が家計を支えている(らしい)というのに、いったいどういう了見なのでしょう。
彼女の怒りの発言に
山内さん『まあまあ、大人になって黙って流しててよ』・・でもそうですよね。
後援会の人たちと喧嘩するわけには行きませんよね・・。

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想田監督と山内さんは東大時代の知り合いだとか。
山内さん本人もベルリンに登場。
映画のタイトルをつけたたすきをつけて、会場を出る人に握手と
ダンケシェーン、のパフォーマンス。
これも観客に大受けでした!!

ちゃんと笑える、楽しめる映画に仕立てあげられていますが、
よーく見ると、垣間見える日本社会・・ただ面白いだけの映画ではありません。

ドイツの新聞などでも大きく取り上げられ、
フォーラム部門で一番楽しめる映画、と、その監督の視線と映画の内容も
高く評価されました。

唯一、私が心残りだったのは、
切手コレクターだという山内さんが特別に作ったらしい
この映画のポスターを切手にしたものが、ベルリン映画祭で販売されてたらしいのに
見つけられなかった事。

どこで売ってたんでしょう?
日本ではまだ売っているようなので
興味があるかたはぜひ公式サイトをチェックしてみて下さい!

ちなみに、山内さん、次に出馬はないそうです。


映画館での公開は未定ですが、今年秋、10月頃にZDFとかARTEの合同企画で
放映の予定があるようです。ドイツに居る方はぜひ。
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by berlinbau7 | 2007-02-17 19:04

焼き肉とエルビス

風邪もほぼ全快!しまして

仕事の合間を縫って、
せっせと映画をみております。

これまでに見た映画は
『ザ・焼き肉ムービー/プルコギ』
この映画の上映には、グ スーヨン監督さんもいらっしゃっていました。
幅広のぎらぎらサングラスで、おおっと一瞬思いましたが
『もう食事は済んだころだと思いますが(上映は夜10時だったのです)
食べていない方はもっとお腹がすきますよ〜』と上映前に一言!
とっても好青年!な雰囲気の方でした。

そして、映画はまさに監督の言葉通り、
風邪でごはんを食べられなくてお腹ぺこぺこ状態で行った私には
目の毒〜〜!!!
じゅわっと肉汁あふれる神戸ビーフ、
煙をあげる焼き肉!
そして、舞台となっているプルコギ食堂で山田優がささっと手早く作っていた
ナムルをぐちゃぐちゃに混ぜた混ぜご飯〜〜〜
お腹がぎゅるぎゅる鳴ってしまいました。
実のところ、焼き肉といっても、内臓系(白肉)は苦手でしたが、
じわじわと焼き上げられる小腸の美味しそうな事・・
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失われた兄弟を探すドラマは置いておいて、
もっともっと焼き肉の奥深さ、おじいちゃんの肉焼きへのこだわりなどを
見せて欲しかったかな、という感じもありましたが
ちょっとした食事のシーンがとても暖かく、
『仲良くなるには食事が一番じゃ』というおじいちゃんの言葉が
まさにお腹に染み通りました!

私も、人と仲良くなりたい時には食事が一番だと思っています。
監督さんが、映画上映後の質疑応答で、
『食べ物の趣味が違う人と結婚しちゃったら大変じゃないですか』
と仰っていましたが、その通り!
私も、食べ物の趣味が合わない人と深くつきあって行くのは難しいと
思っています!
やっぱりね、焼き肉なら、じゅうじゅういう七輪を囲み、
冬なら鍋を囲んで、おいしいね〜と言い合える人とならやっぱり
仲良くなれる気がしちゃいますね。

映画上映後、
監督が焼き肉を焼いてくれないかな?と
ちょっと期待してましたが、それはありませんでした(笑)

じゅうじゅう焼き肉の音がする素敵な公式サイトもぜひチェックしてみて下さい。
http://www.yakiniku-movie.com/


さて、
昨日は映画を3本みました。
ドイツ映画、ニナ・ホスが主演、ヴィッテンベルクとハノーバーが舞台の映画
『イェラ』。これはけっこうすごい映画でした。ストーリーを描いてしまうと
何にも面白くないので、書きませんが・・
見た後に、
さまざまの疑問をココロになげかけてきました。
ぜひこれは後で、じっくりと書いてみたいと思います。

『赤いエルビス』
旧東独、ロシア、ポーランド、チリなど、共産圏で大スターとなっていた
ディーン・リードの半生を追う
ドキュメンタリー映画。
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これは今回の映画祭、私が見た映画の中でトップ!!
素晴らしい映画でした。

平和、解放をうたうロックシンガーとして、
アメリカから、東独へとやってきたディーン・リード。
70年代は、スターとしてどこでもファンから大絶賛を受けていた彼が
だんだんと落ち目になり、
東ドイツではせいぜい
『アメリカを選ばず、東独にやってきた』という政治的なオブジェとして
使われるのみ、となってきた彼の葛藤。

すぐ熱っぽく平和を訴え、パレスチナの戦争に参加してみたり
ハンストをしたり、
私生活でもすぐ恋をしては結婚を繰り返し・・

こんな人がいたんだなあと、興味深くみました。

監督自身はドレスデン出身。
しかしディーン・リードの曲が流行った頃にはまだ
生まれておらず、壁が崩壊した後、
東ではこんなにスターだった人が、西ではまったく無名だったのに
興味を持って色々調べ出したそうです。


『鉄コン筋クリート』
おなじみ、松本大洋の漫画をアニメ化したもの。
松本大洋ファンなので、どうかな?と思っていったんですが
これが素晴らしかった!!
絵柄は確かに松本大洋。彼の世界観を十二分に画面にだしながらも
監督自身の世界もきっちり見せてくれました!
素晴らしいアニメーションの世界〜〜!!!

楽しめる、良い映画でした!
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by berlinbau7 | 2007-02-16 17:36 | 映画、だいたいドイツ

奇才の奇作、ドイツの小品

さて、昨日
最初の1本は
『This Filthy World』〜この堕落した世界〜

『ヘアスプレー』『シリアル・ママ』『ピンクフラミンゴ』の奇才監督、ジョン・ウォーターズについての映画です!!(監督は違う人ですが)
プログラムで見たときからすっごく見たくてチェックしていた作品だったのですが、
なにせ全編英語。
ジョン・ウォーターズが舞台でべらべらノンストップで話をする映画で
多分にスラングなども盛り込まれ、オリジナルではほとんど分からないだろうと
最初はあきらめていたんですが、
ちょうど空き時間があったので、頑張ってみて見ることにしました。

『ピンク・フラミンゴ』といえば、
あの、ディヴァインを主演にすえた伝説のカルト映画。
あれを撮った監督。
最近はホラー映画などにもちらりと出演をされているようで
その怪しい外見、すごそうな頭の中身が見られる映画となれば気になってしまいます。

まるでトークショーのような舞台が作られており、
その舞台の上には、教会の懺悔室のセットが作られています。
懺悔室のドアがパタンと開いて、ジョン・ウォーターズ登場!
割れんばかりの拍手。
『ありがとう。私をまるでセリーヌ・ディオンのような気持ちにさせてくれますね』
と登場したジョン・ウォーターズは、映画界の人たち、俳優、セレブたちについて
ノンストップで話して行きます。
その辛辣な言いっぷり、からかいっぷりに会場は大爆笑。
映画の中の会場も大爆笑でしたが、
びっしりと映画館に集まったジョン・ウォーターズファンたちも、大爆笑、大拍手、
もう大騒ぎでした!!
私は、もっと英語がわかったらなあと悔しく思いながらも、
面白いなあと思ったけれど、わざわざ映画館で見る映画ではないかなあと。
ジョン・ウォーターズが映画の前に登場してベルリンについてちょっと話したんですが、
やっぱり生が一番面白い!!!

映画を見るより、
1時間半、彼が話すショーがあったら
絶対見に行きます!!
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唇の上にうすーく残してあるちょびひげがいかにも怪しいおじさんという風貌。
ウォーターズさん、変ですって。

今日はしょっぱなから良いスタートでした♪


2本目は
『カインの末裔』日本映画です。

母殺しの罪で長らく刑務所に入っていたムナカタが
川崎の裏手にある小さな電気工場で仕事場を見つけ・・

映画が始まったなり、『おお〜なんだか、ガロ漫画みたいな雰囲気』と思いました。
主人公の人もガロ漫画にでてくるような無口でひげで汚れてて。
住む部屋は2畳もないような狭いぼろぼろの小部屋で、よごれた畳のベットで。
1チャンネルしか入らないようなテレビで。

怪しい教会とか、川崎の工場街の風景とか、面白くなりそうな要素はいっぱいあったんですが
なんだか、私はさっぱり、のれませんでした。

色々なシーンがとても思わせぶりで意味をたっぷり含んでいそうであるのに、
最後まで見ても、監督が何を伝えたいと思い、何を思ってこの映画を撮るにいたったのかが
伝わってこなかったのです。

・・川崎にある火力発電所が『実はもう原子力発電所なんです』という発言があり、
そうか、火力発電所があるのか、と思って検索してみたら、
『川崎の火力発電所でデータ改ざん問題が発生』というニュースに当たりました。
映画の中では、確かにそういうことをしそうな発電所という雰囲気でしたが・・。



3本目、
『ホテル・ベリー・ウェルカム』
ドイツの若手映画です。
これがなかなか良かった!

今まで見た中で一番好きな映画でした。

何らかの理由を抱えて、アジアに旅に出た5人のツーリストの話。

ジョシュアとアダムはイギリスからタイへ。
ムエタイを見て、ビールを飲んで、朝まで踊って、ジャングルを歩いて・・
しかし、ささいな喧嘩から2人の間に亀裂が入り・・

うっかり子どもを作ってしまいインドに逃げて来たアイルランド人のリアムは
ラクダにゆられて砂漠を旅し・・

子どもができないのに悩んで、ヨガにはまり、インドへと旅して来たドイツ人のマリオン。
旅先ではハッピーハウスという自己開発セミナーみたいなところに通い
自分を解放しようとするが・・

上海行きの飛行機に乗り遅れ、空港近くのホテルで、上海行きの飛行機を手配する電話をかけ続ける
スヴェンニャ。英語がさっぱり通じない航空会社のインフォメーションセンターの人と
毎日話をするうちに、なんだかすっかり仲良くなって・・

なんとはなしに、
アジアへと旅立つ人の、旅の楽しさと空虚さ、
ちょっとさみしくなったり、楽しくなったり、忙しい旅人のココロを描いた
小粒な秀作でした。


今日も、
ドイツ映画をメインにいくつか見て行こうと思います。
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by berlinbau7 | 2007-02-14 15:05 | 映画、だいたいドイツ

戦争映画、ドイツと日本とアメリカで

一昨日、風邪があまりに直らない上、熱も下がらないので、
相方に『ベルリン映画祭&ネット禁止令』を出され、丸1日自宅療養しておりました。

そのかいあって、
昨日は、熱もさがり、吐き気もかなり収まってばっちり!
映画も3本も見て参りました!


昨日までに見た映画は

『硫黄島からの手紙』

戦争映画は基本的に苦手なので、どうするかさんざん迷って見に行った映画。
プレス公開に見に行ったら、会場があまりに満杯で、急遽2つ目の会場をつくるほどの混雑に。
さすがクリント・イーストウッド(?)
硫黄島で、
硫黄のガスがあがる中を
トンネルを掘って立てこもるという作戦で、2万人以上もの兵を死なせてしまった
栗林中将を渡辺謙が演じ、オリンピック馬術競技の金メダリスト、西男爵を伊原剛志が演じた。
ー兵卒を演じた二宮和也の演技がなかなか良くて、驚かされました!!!!
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でも、映画自体は、うーん、戦争映画・・。
戦争に反対なのだろうとは思う訳ですが、
アメリカにも日本にも遠慮して良い顔見せようと撮っている感じがして
私は『2本作ってるんだから、はっきりした方が良いのでは?』と思いました。
後、戦時中なのに、皆鉛筆が削りたてで下ろしたてとかサマツな事が
気になって・・(どうでも良い事なんですが)


『Die Faelscher』偽造者
強制収容所内にあったという偽札製造所の話。
ドイツから見た映画で、ドイツがユダヤ人に対して行った悪い面だけを拡張するような描き方をせず、
“人間的な”ドイツ軍人も描き、かつ、アーティスティックに描いた
と高く評価されたらしい映画。
確かに、90年代までのハリウッド映画といえば、
悪者がでてくれば全部ナチ。
インディージョーンズとかでも、ナチの残党が出て来て
ハイル・ヒットラー、とやると、手のところに火傷が・・なんてシーンがあったことを思い出します。

ドイツ国内でも、もちろん、戦争を肯定する映画はもちろんのこと
ドイツについてなるべく良い面をかかず、いかに悪いことをしたのかをせつせつと描くことに
力がいれられていました。
それを、この映画では、例えば、カーニバルを収容者と一緒に祝ったりとか
そんなシーンも盛り込んでいたりするわけです。

映画館を出たところで、怒り狂っている人が居ました。

私は、今回の映画の意義うんぬんはわかりません。
でも、単純に、面白くない映画だと思いました。
ドイツ映画なのに、ハリウッドっぽい要素を盛り込みすぎなんじゃないかな?
というのが不満点のひとつ。

ファンである、アウグスト・ディールが、
持ち味の、卑怯者っぽい良さを出さず、ただのヒーローっぽいという役柄の薄さが
もうひとつ。
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でした。


『武士の一分』
山田洋次監督作品は苦手、苦手と言いつつ、
見に行ったのは、友達が『たそがれ清兵衛』が良かったと聞いたからです。
何もコメントは無し。山田洋次監督らしい映画でした。
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by berlinbau7 | 2007-02-14 15:03 | 映画、だいたいドイツ

『家族』とは何か?

多分、これからドイツを代表する渋い名女優に成長していきそうな予感たっぷりの
ザンドラ・ヒューラーの主演作、
聖母たち』についてアップしてみました。

この映画で、
『母』とは?『家族』とは?と考えたところで、
桃井かおりさんの初監督作品、主演作品『無花果の顔』をみてきました!

これが、けっこう良かったのです!

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会場には桃井さんも、シルバーの素敵なジャケットにシックなワンピースを
スニーカーでドレスダウンして登場!
この映画には、桃井さんがCMを勤める『SK−2』もスポンサーになっていたようですが
やっぱりつるつる卵肌!
映画の中でも、疲れたお母さん役なので、あまりぴかぴかの姿ではなかったですが
肌の中から光を感じる透明感でした。
上映後には場内から拍手が。

しかし、
娘さんを演じた山田花子がめちゃくちゃいい味。
仲がすごく良いわけでもない、悪いわけでもない、
微妙に間の開いたような家族の間柄。
微妙に外れた感じの母、桃井かおり。
山田花子演じる娘が、悩んでるのか、単にぼけてるのか、
良く読めないところが実に良かった!

カメラ回しも、手持ちなのか、がたがた揺れる感じのものと、
俳優さんにぐぐっと寄ったもの、遠くに設置されたものがうまくミックスされ、
どこか、この家族の食卓に自分が座り、見ているように思わされたり、
その俳優さんの目となり、歩いているようだったり。
途中に入った、ありんこのアニメとか、よくわからないカットも
脈絡がないようで、それでよし、という感じ。

色が混じり合った衣装と、どことなく懐かしいような、いっぱいの色を使ったセット(特に台所がキレイ)も・・。

詳しくはまた書きたいと思いますが、

点数をつけるとすれば、10点満点で6点。
小振りだけれど、やわらかい気持ちになれる。
こういう『母』もいいじゃない。
ちょっとおとぎ話のような。

桃井監督、2作目ももう予定されているとか。
気負わずに、ひょうひょうと作って下さると良いなあと思いました。
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by berlinbau7 | 2007-02-11 12:19 | 映画、だいたいドイツ

ひたすら、目を開き、蜷川ワールドに体を浸して・・

いよいよ、ベルリン映画祭、開幕しました!
私は一足お先に、蜷川実花監督、土屋アンナ主演、椎名林檎音楽の
『さくらん』を見てきました!

極彩色、という言葉がまさにぴったり当てはまる、蜷川実花さんの写真は
パラパラと雑誌をめくっていても、そこだけ手が止まって引き寄せられるほどの
強い吸引力。
絵具でいえば、チューブから出して、混ぜると、色が濁っていくわけですが、
蜷川さんの世界の色は、絵具チューブよりさらに彩度が高い色粉を
パッと画面にまぶしたかのよう。大好きな写真家の一人です。

土屋アンナは
最近の活躍は知らないけれど、彼女がまだモデルの時
やたらかわいいハーフの子が出て来たなあ、とチェックしたことがありました。
今は音楽活動もばりばり、かっこいいシングルマザーをやってるという話ですね!

そして、音楽、
椎名林檎。
はまりすぎってくらい、はまってる!!

安野モヨコの原作は知らないけれど、
その上、
ベルリン映画祭のディレクター、コズリックさんから直々のラブコール
特別招待!
と来たら、
見るしか無いでしょう!

というわけで、
風邪ひきを押して出かけました。

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入口では、さくらん柄の渋派手風呂敷と、キッチュ浮世絵風の『蜷川組』の扇子、
英語版の特別プログラム、
そしてミッテの
『アーント&パートナー』ギャラリーでベルリン映画祭の時期だけ(10〜18日まで)開催される
蜷川さんの展覧会のカードなどをセットにして手渡されました。
何しろ会場一番乗りだったので、それでか?と思ったのですが
遅れて入場して来た人も、一セット貰っていました!

太っ腹!

さて、
映画。
吉原遊郭を舞台にした映画ですが、
その遊郭の門、『あっち』と『こっち』を分ける門にはなんと
金魚の水槽がはめ込まれていて、
ふわーっとカメラが登って行くと、
ふわふわとしたヒレで泳ぐ、頭の大きな金魚たちと、吉原の中の真っ赤な提灯がかぶさり
それだけで、ため息が出てしまう程の美しさ・・・。

蜷川ワールド全開です!

真っ白な肌に、真っ赤につややかな紅を指した、きよ葉(土屋アンナ)の美しい事。
ぴらぴらしたかんざしが、顔の周りでゆれ、
ごってりした前帯とあいまって
毒々しいまでの美しさを見せる色彩のせめぎ合い。
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一瞬しか出てこない、生け花たちの美しい事!(もったいない〜!)

私は、花魁道中で使う、三枚歯の下駄を作品にしたことがあるので、
あの巨大な下駄をゆっくり、擦るようにして歩く姿が見られたのは嬉しかったです。
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そして、意外、と言っては悪いんですが
菅野美穂が素敵だった〜〜!
姉さん花魁としての貫禄を見せつけながらも下卑た感じにならないのはすごい!
そしてやはり姉さん花魁を演じた木村佳乃。
清純派なのかなあと思いましたが、『地獄』に落ちた花魁を演じきっていました。

あと、
小泉今日子など、ちらっとカメオ出演があるのも楽しみです。


・・・・
えっ
ストーリーとか中身に触れてないって?

うーん、そういうのは多分あまり関係ない映画なのだと思います。内容が無いとも言えますが・・ただ、ひたすら、『豪華絢爛』な世界を眺める映画なのではないかと(個人的には、表面だけじゃなく中身にぐぐっと迫って欲しいという気持ちはありましたが。。。。だって、『地獄』なんて言葉がでるからには、その内情がちょっとでも垣間見れないと、リアリティがないというか)


・・・

土屋アンナ&蜷川実花さんは、ベルリン映画祭で花魁道中をやる予定とか。
じとじとの雨降りですが、
どうなるか?
とっても気になるところです。

追記…
プレス上映会では、途中で立ってしまう人が沢山居た『さくらん』。
花魁道中をやったという、キノ・インターナショナルでの上映では、
『途中から、まわりからのあくびの音や、居眠りの音がうるさいくらいだった』という友達の報告も・・き、きびしい〜〜。。

原作漫画も読んでみましたが、うーん・・。
単行本の表装の美しさ、カラーページには感激しましたが・・。
しかし、原作で見応え?ある、つらい折檻や、泣かないで頑張るというシーンは
映画で削ってしまったのですね。台詞が一言一句同じようでちょっとびっくり・・・。


しかし、今回、なにより、一番ショックだったのは、
ディレクターのディーター・コスリックさんが、蜷川さん、土屋さんを目の前にして
日本や映画について、くだらないジョークや、ちょっと卑下したようなことを発言し、
通訳さんに『これは通訳しなくて良い』と言ったらしいこと。
私は現場に居た訳ではないので、なんとも言えませんが、
招待しておいて、それはないんじゃないの、とちょっと不愉快な気持ちになりました。

まあ、コンペ作品に招待されたジェニファー・ロペスと、アントニオ・バンデラスの『ボーダーライン』は大ブーイングだったそうですから、
招待した作品全てが、映画作品として素晴らしいという観点からではなく、
映画祭の『祭り』的要素、ショー、エンターテイメントとして、観客とベルリン市民、
世界の興味を引くもの、という観点から招待しているものもあるでしょうけれど・・
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by berlinbau7 | 2007-02-09 16:02 | 映画、だいたいドイツ