本日は、
疲れ気味だったので、ドイツ映画(短編&中編)1つに絞って見てまいりました。 『Perspektive deutsches Kino』の中で、映画学校の生徒の作品を上映する試みです。 1作目は『Robin』。 施設から家族の待つ自宅に戻された、8歳の男の子、ロビン。 若くて疲れ気味の母親、アル中気味の父親、生まれたばかりの妹。 タイトルが始まる前の子どもたちのはやし唄みたいのも怖く、 ロビンが双眼鏡でのぞく、焦点がブレ気味の映像が不安をかきたて、 映像としても、よくできたものだと思いました。 ただ、20分の短編、私には、この映画を撮りたかった意味みたいなものが伝わってきませんでした。もう、ただひたすら辛くて。 映画は楽しいものでなくっても良いんです。でも……こんな話は新聞でさんざん読んでるよー。。と思ったら、プログラムに監督は、実際に起こった事件から発想を膨らませたとありました。悲惨な現実を悲惨に描くだけでなく、私はもうちょっと何かが欲しかったなと思いました。 2作目は『Teenage Angst』。 (c)InternationaleFilmfestspieleBerlin こちらも、辛かったです。『ティーンエイジャーの不安』 Angst はドイツ語だと思っていたんすが、英語でもAngst なのですね。 ニルヴァーナの『Serve the Servants』の頭にもこの言葉が出てきます。 プラシーヴォにもこのタイトルの曲があります。題材としてはけっこうあるのかな。でも俳優陣がすごくて迫力ありました。 舞台はお金持ちが沢山集まる山間の寄宿舎。 寄宿舎と言われるとすぐ、『11月のギムナジウム』『トーマの心臓』なんかを 思い浮かべてしまう私ですが、 しょっぱなから 休日を終えて帰って来た生徒たちに、アルコールチェック(飲酒運転をチェックするような器具で)と、ドラッグチェック(尿検査)をやらせてて、驚きました。 そりゃ、オスカーも煙草は吸っていましたが……。 (ドイツ人には『これくらいの年齢が一番はめを外すんだから、当たり前じゃない』と一蹴されました………)お揃いのジャージーは着ていましたが、特に制服も無し。 湖畔の、街から隔離された、エリート寄宿舎(とプログラムにはあり、 たしかに生徒が住んでいる部屋などを見ると、モダンなインテリアでかなり豪華な雰囲気)で 同室の4人、Dyrbusch、 Bogatsch、 Konstantin 、そして Leipnitz。 夜中に学校を抜け出し、学校からほど近い薮の中にある『別荘』に行き、 お酒を飲んだり、『モラルなど忘れちまえ』と毎晩、ばかばかしいお遊びにふける。 コカインをきめて街に遊びにでかけた4人。 Dyrbuschが、夜道を急ぐバーのウェイトレスさんに暴力をふるい、 Leipnitzが止めたに入ったことから、『友達』だった4人のバランスが崩れだす。 『自分たちは友達だ』と信じ切って、両方の間に立とうとするKonstantin の影で Dyrbusch、 Bogatschの暴力はエスカレート。 密告ることもできず、迷うKonstantinが心を決めた時、 先生に呼び出されたLeipnitzは……。 いじめられるときの恐怖、人をいじめるときの焦燥感、恍惚感、戻るタイミングを失ってエスカレートしていく感じ。学校やクラスという逃げ場の無い中で、方向を見失った力だけが渦をまくあの感じ。もう、ティーンエイジャーじゃなくて良かった、と心から思いました。 どっしり重いものを持たされたようになって、映画館を出る間際、 『この映画って、つまりはずっとマゾだったLeipnitzが、 一転して、ドミナになるというお話なんだね』と言っている人が。 えっ、そういう解釈なの? 同じ映画をみても、色々な感想がでるものだということを感じた一瞬でした。 昨日の『Berlin - 1. Mai 』も、 紋切り型で面白いところゼロ!これをオープニングにしたのは、『これ以降は良くなるしか無いという意味か』とまでハードに批評している記事もみかけましたし……。 そして映画館を出た所で、 Dyrbusch役の俳優、Niklas Kohrt(Knallhartにも出演していたよう。今はドイツ劇場の俳優でもある) とKonstantin役の俳優、 Franz Dinda(ドイツTV賞で奨励賞などを受賞 )が おう久しぶりー!と再会を喜んでいるところに遭遇。なんだかホッ。 ちょっと気分が落ち着いて、帰路についたのでした。
by berlinbau7
| 2008-02-10 06:11
| 映画、だいたいドイツ
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