国立図書館はミニスカートの美女でいっぱい?『Agnes und seine Brueder』

昨日、大好きな独仏合同チャンネルARTEで
Oskar Roehler監督の『Agnes und seine Brueder(アグネスと彼の兄弟)』を
やっていたので、見てみる事にしました。
『アグネス』という女性の名前を出しておき、
本来なら『彼女の兄弟』となるところを『彼の兄弟』と
冠詞だけで、アグネスさんが実は女性でなく男性だということを
表現しているタイトル。

主演は、アグネスに、この映画で映画初主演となるMartin Weiss
(普段はTVと舞台の仕事が多いらしい)
その兄弟ハンス・ヨルグをモーリッツ・ブライブトロイ、
ヴェルナーを、ローラ・レントでお父さんを演じたHerbert Knaupが
演じていました。

その他、ヴェルナーの妻に
カチャ・リーマン、
カメオ出演で、ティル・シュヴァイガー
など、
ドイツの俳優目白押し、という感じの映画です。


私は、このOskar Roehler監督の最新作、
Elementarteilchen 素粒子』を
ベルリン映画祭で見た時、
こ、これはひどすぎる・・・と10点満点で考えたら2点、という
評価を下したのですが、
その反面、
『こんなひどい映画だけれど、これだけ多くの有名で良い俳優さんが
出演するということは、監督に実は人望がある?
もしくは、資金が集められるだけの、良い映画を過去に製作しているのか?』
と疑問にも思っていたのです。

というわけで、この『Elementarteilche 素粒子』の前作である『Agnes und sein Brueder』にはちょっぴり期待していました。

・・し、しかし・・・・・
最初の5分で、あああ〜〜〜〜と思って、
もう寝るか・・と思う程の映画でした。
素粒子』の時も思ったのですけれど、この監督の描く人間には、魅力がありません。
というか、人間性が感じられません。
何を描いても、月並みで紋切り型。

この映画の中でも、再び、性的問題を抱える図書館員(素粒子、では教師でした。
ああ、これも、ありがちな設定です)を演じたモーリッツ・ブライブトロイ。
彼のお勤め先は、ベルリンの国立図書館(通称シュタービ)のようですが、
『おいおい、シュタービに来ている女の子は
みんなロングヘアでミニスカートなんかいっ』と
ツッコミを入れたくなりました。
そんな人、見かけたことありませんよ。図書館は夏もかなり涼しいし。

このあまりに月並みな作り込みが、逆に、例えば、
モーリッツ・ブライブトロイの妄想の世界、とかだったら
面白く演出できたのかもしれません。
しかし、3人いる主人公の世界全てが『ありがち』な造りなことを考えると、これは監督の脳内世界なんでしょうかね。

何を描きたいかが不明というのはもちろんですが、
それ以前に、出てくる人物、事柄があまりに薄っぺらい・・・。
第一、この映画に出てくる女性は
ストレートのロングヘアで、妙に薄着をした女の人か、
ちらっと出てくるデブでブス、という女性だけ。
男性は、ボディビルダーか?というような男性か、
へなちょこのまじめタイプのみ。
長男の『壊れた家庭』の描き方も、笑っちゃうくらいありがち。
『食卓につくけれど、食事を共にしない妻→しかもサングラスをかけている』『ベットも共にしない』『庭にマリファナを植えている息子』
悪い意味で、『マンガみたい』です。
いや、良いんですよ、設定が月並みでも、面白い映画はあります。それが意図ならば。
でも、人間を描いて風刺するというような映画を作りたいというような意図ならば、
もうちょっと人間を観察することから始めた方が良いのではないでしょうか・・・と
余計なおせっかいを焼きたくなってしまいました。

Oskar Roehler監督、『Unberuehbare』という映画で有名になった方で
この映画はそんなに悪くないのだそうですが・・

なんにしろ、こんな映画を最後まで見てしまった自分にぷりぷり腹を立てながら、
眠りにつきました。
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by berlinbau7 | 2007-05-09 22:20 | 映画、だいたいドイツ


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