ひたすら、目を開き、蜷川ワールドに体を浸して・・

いよいよ、ベルリン映画祭、開幕しました!
私は一足お先に、蜷川実花監督、土屋アンナ主演、椎名林檎音楽の
『さくらん』を見てきました!

極彩色、という言葉がまさにぴったり当てはまる、蜷川実花さんの写真は
パラパラと雑誌をめくっていても、そこだけ手が止まって引き寄せられるほどの
強い吸引力。
絵具でいえば、チューブから出して、混ぜると、色が濁っていくわけですが、
蜷川さんの世界の色は、絵具チューブよりさらに彩度が高い色粉を
パッと画面にまぶしたかのよう。大好きな写真家の一人です。

土屋アンナは
最近の活躍は知らないけれど、彼女がまだモデルの時
やたらかわいいハーフの子が出て来たなあ、とチェックしたことがありました。
今は音楽活動もばりばり、かっこいいシングルマザーをやってるという話ですね!

そして、音楽、
椎名林檎。
はまりすぎってくらい、はまってる!!

安野モヨコの原作は知らないけれど、
その上、
ベルリン映画祭のディレクター、コズリックさんから直々のラブコール
特別招待!
と来たら、
見るしか無いでしょう!

というわけで、
風邪ひきを押して出かけました。

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入口では、さくらん柄の渋派手風呂敷と、キッチュ浮世絵風の『蜷川組』の扇子、
英語版の特別プログラム、
そしてミッテの
『アーント&パートナー』ギャラリーでベルリン映画祭の時期だけ(10〜18日まで)開催される
蜷川さんの展覧会のカードなどをセットにして手渡されました。
何しろ会場一番乗りだったので、それでか?と思ったのですが
遅れて入場して来た人も、一セット貰っていました!

太っ腹!

さて、
映画。
吉原遊郭を舞台にした映画ですが、
その遊郭の門、『あっち』と『こっち』を分ける門にはなんと
金魚の水槽がはめ込まれていて、
ふわーっとカメラが登って行くと、
ふわふわとしたヒレで泳ぐ、頭の大きな金魚たちと、吉原の中の真っ赤な提灯がかぶさり
それだけで、ため息が出てしまう程の美しさ・・・。

蜷川ワールド全開です!

真っ白な肌に、真っ赤につややかな紅を指した、きよ葉(土屋アンナ)の美しい事。
ぴらぴらしたかんざしが、顔の周りでゆれ、
ごってりした前帯とあいまって
毒々しいまでの美しさを見せる色彩のせめぎ合い。
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一瞬しか出てこない、生け花たちの美しい事!(もったいない〜!)

私は、花魁道中で使う、三枚歯の下駄を作品にしたことがあるので、
あの巨大な下駄をゆっくり、擦るようにして歩く姿が見られたのは嬉しかったです。
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そして、意外、と言っては悪いんですが
菅野美穂が素敵だった〜〜!
姉さん花魁としての貫禄を見せつけながらも下卑た感じにならないのはすごい!
そしてやはり姉さん花魁を演じた木村佳乃。
清純派なのかなあと思いましたが、『地獄』に落ちた花魁を演じきっていました。

あと、
小泉今日子など、ちらっとカメオ出演があるのも楽しみです。


・・・・
えっ
ストーリーとか中身に触れてないって?

うーん、そういうのは多分あまり関係ない映画なのだと思います。内容が無いとも言えますが・・ただ、ひたすら、『豪華絢爛』な世界を眺める映画なのではないかと(個人的には、表面だけじゃなく中身にぐぐっと迫って欲しいという気持ちはありましたが。。。。だって、『地獄』なんて言葉がでるからには、その内情がちょっとでも垣間見れないと、リアリティがないというか)


・・・

土屋アンナ&蜷川実花さんは、ベルリン映画祭で花魁道中をやる予定とか。
じとじとの雨降りですが、
どうなるか?
とっても気になるところです。

追記…
プレス上映会では、途中で立ってしまう人が沢山居た『さくらん』。
花魁道中をやったという、キノ・インターナショナルでの上映では、
『途中から、まわりからのあくびの音や、居眠りの音がうるさいくらいだった』という友達の報告も・・き、きびしい〜〜。。

原作漫画も読んでみましたが、うーん・・。
単行本の表装の美しさ、カラーページには感激しましたが・・。
しかし、原作で見応え?ある、つらい折檻や、泣かないで頑張るというシーンは
映画で削ってしまったのですね。台詞が一言一句同じようでちょっとびっくり・・・。


しかし、今回、なにより、一番ショックだったのは、
ディレクターのディーター・コスリックさんが、蜷川さん、土屋さんを目の前にして
日本や映画について、くだらないジョークや、ちょっと卑下したようなことを発言し、
通訳さんに『これは通訳しなくて良い』と言ったらしいこと。
私は現場に居た訳ではないので、なんとも言えませんが、
招待しておいて、それはないんじゃないの、とちょっと不愉快な気持ちになりました。

まあ、コンペ作品に招待されたジェニファー・ロペスと、アントニオ・バンデラスの『ボーダーライン』は大ブーイングだったそうですから、
招待した作品全てが、映画作品として素晴らしいという観点からではなく、
映画祭の『祭り』的要素、ショー、エンターテイメントとして、観客とベルリン市民、
世界の興味を引くもの、という観点から招待しているものもあるでしょうけれど・・
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by berlinbau7 | 2007-02-09 16:02 | 映画、だいたいドイツ


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